だんじり総合案内所


地車の型
 地車の型は大きく「下地車(下だんじり)」「上地車(上だんじり)」の2つに大別できる。
「下」「上」とはだんじりの重心が「下」にあるか、「上」にあるかという意味である。
 また、岸和田旧市の北町が泉大津より地車を購入し曳き方に合わせ改良を重ねた物が現在の下地車と呼ばれる物である、
この事から南へ下った所でそれまでと違う形のだんじりが出来たそれを下地車と呼び対して
従来の形のものを上地車と呼ぶようになったと言う説もある。

一般に「だんじり」といえば、
泉州地域(旧和泉国。大阪府南西部)の岸和田市のだんじりが全国的に名高いが、
河内地域(旧河内国。大阪府東部・南東部)、摂津地域(旧摂津国。大阪府北部、兵庫県南東部)にも
だんじりを保有しているところが数多く存在する。
泉州地域では、地車の装飾や、曳行自体が重要視されている。
それに対して、河内地域では、それらだけにとどまらず、地車囃子や曳き唄なども重要視されている。
また、摂津地域では、大阪市南部・大阪市東部・神戸市・阪神間あたりの場合、地車の装飾、曳行、地車囃子が重要視されている。

下地車(下だんじり)
 岸和田型とも呼ばれる。 大阪府の泉州地域(大阪府南部の海沿いの地域)の地車にこの形が多い。
上地車と比べると大きく重いが、重心が低くやりまわし時の安定度は高い。 新調には1億円以上要する。
 後部にやりまわしや方向転換に使用する後梃子があり、大屋根に鳥衾と呼ばれる3本の角がついている。
上地車にも鳥衾がついていることがある。

上地車(かみダンジリ)
 大阪府泉州地域以外はほとんどがこの上地車である。
上地車は、地域によりその形態に特徴があり、住吉型(大佐だんじり)・堺型・大阪型・石川型(仁輪加だんじり)
・北河内型・大和型・神戸型・尼崎型・舟型・社殿型・宝塚型というように多種多様な型が存在する。
重量は比較的軽く、上り坂でも進むことができる。

下地車にある前梃子は無く、周りを「担い棒」と呼ばれる木の梁で囲っているのが特徴。
この担い棒があるため、「連合曳き」と呼ばれるパレードの際に、地車を担ぎ上げて「ウィリー」させることができる。
これを「差し上げ」と言い、これは上地車を使う、南部大阪のほとんどの地域で行われている。
そのほか、横に揺らす「横しゃくり」や、梃子の原理を用いて「地車(ダンジリ)」を前後に揺らす「縦しゃくり」を行ったり、
前後に走らせたりする。これらの曲芸的な技は南河内、堺市の一部などで行われている。

とくに南河内で主に使われている「石川型地車」は、重心が高い独特の形態をしているため、これらの技をやりやすいとされている。
ほかにも近年では差し上げの状態からさらに後輪の片方を持ち上げ「一輪立ち」などを行う地区もある。
 これらの方法でだんじりを曳き回して演技を披露することを「しこり」又は「でんでん」、「追うた、追うた(おうた、おうた)」などと言う。
ただし、上記の行為を行うと地車の彫刻の破損、地車本体の損傷、人身事故等が起きるのでこの行為は一部の地域以外では行われていない。
 また、同じ南大阪でも、河内長野市や大阪狭山市の一部では、交差点などで地車の後輪を浮かせ、
そのままの状態で地車を左右に勢いよく回す「ぶん回し」という高速回転が見物となっている。

また、ぶん回しを行う地区の多くは住吉型(大佐だんじり)や堺型地車を使用している。
とくに堺市の外縁部に位置し、古来から堺とのつながりが深い地域に多い。
泉大津地方では、互いのだんじりをぶつけ合う「かちあい」が名物となっている。

兵庫県尼崎市南部では、だんじりの前輪を上げ、互いの担い棒(片棒)を乗せあい勝負を決める「山合わせ」が見物となっている。
また、ほとんどが屋根の上には獅子噛(しがみ)と呼ばれる獅子と鬼を足した様な顔をした彫り物がつけられている。
また、堺型といわれるものは上記の種類に含まれる。
地域によっては、地車に発電機をのせて大きな電力を確保し、派手なネオンや照明を装備することもある。
奈良県の大和高田市に有る天神社の秋祭り(10月の第2月曜日を含む日、月曜)には、
住吉型(住吉大佐)の『5枚板地車』本町壱丁目と堺型(木村源平)の『3枚板地車』高田地車が
祭り初日の日曜日の午後7時に大和高田天神社へ合同宮入を行っている。
また、奈良県葛城市長尾の地車は他に類を見ない社殿型地車であり、
同地区の竹内地車は変形1枚屋根地車で双方ともに10月の祭礼時は現役で活躍している。

参照 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 Wikipedia:著作権

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